短歌5首『浅草寺附近』(『コスモス』昭和28年10月号所収) これらの歌が詠まれたのは、戦後に再び教師として関わった日本学園を退職しようとしている(そして、そのあと駿台予備校へ出講するようになる)、まさに父の人生の転換期とでも言うべき時期で、暗く悲しい色調を帯びています。) 父の短歌5首『浅草寺附近』は、「Cosmos集(短歌)」の冒頭に掲載。次が葛原繁、片桐伊作…と続きます。 (註)市川秀樹様から、すぐに「4首目は『さびしさよ』が『さびしよさ』と誤植でしょうか?」とのご指摘を頂きました。 父の読んだ書籍には、しばしば誤植を訂正する書込みが残されています。「これが誤植ならば直してあっても良さそうなのだがなあ」と思い、そのまま写真を掲載いたしました。しかし、いくら調べても、やはり『さびしよさ』という言い方はなさそうです。誤植と断定してよさそうですね。 (追記)父の蔵書を整理していて、『コスモス叢書第5編 第一宇宙花』(昭和31年8月発行)の87頁に父の歌10首が載っているのを発見。「桑原岩雄 東京都 編集事務 47才」となっていて、そこには、たしかに「さびしさよ」と印刷されておりました。一件落着です。 と同時に、冒頭に書いた「印刷された形で父の手元に残されたのは、この『コスモス』誌に掲載された短歌5首『浅草寺附近』だけ、となったようです」は、間違いだったことがわかりました。『第一宇宙花』以外に、昭和37年発行の『國學院短歌』にも10首を残しております。(2014年5月17日) |