"Toshiyuki"様 2006年11月3日 桑原先生の思い出 From: "Toshiyuki" Date: 03 Nov 2006, 02:47:59 AM Subject: 桑原先生の思い出 -------------------------------- 匿名で失礼致します。たまたま、本ホームページを拝見し、衝動的にメールを打ちます。断片的でかつ表現が拙劣であることをご容赦ください。 桑原先生のことは、駿台で古文の講義を聞く機会を得て以来、35年にわたり繰り返し脳裏を過ぎっております。私の人生の様々な岐路で、桑原先生を思い起こします。 それは、先生の言動一つ一つが誠意にあふれ、誠実そのものであったからだと今思います。 昭和45年4月、駿台中山学生寮に桑原先生が鈴木長十先生、奥井潔先生らとともに、寮生を励ますためお見えになり、C棟3階で講演されました。 それを述べる目的ではなかったのでしょうが、成り行き上、お話がご自身の過去に及び、自らの信念を貫くため大学の途を捨てる決意を述べた際、感極まり暫く言葉を失った先生の姿を目の当りにして、寮生一同皆が、ここまで自らを厳しく問う人生があるのかと激しく打たれ、それがいかに苦渋の、しかし筋を通した真実一路の決断であったのかを知ることとなりました。 先生は、人の痛みがわかる信念をもった駿台生による駿台内閣が国を動かすようになってほしいとも講義の中で言われました。 昭和46年2月には、朝日新聞が「東大生の尊敬する人物」に駿台の桑原岩雄先生が多く登場すると大きく写真入りで報道しました。小生その新聞記事を今でも大切に保管しています。 古文については、高校時代全く不得意としていましたが、「原文のままでわかる」を旨とした先生の薫陶に接し、得意科目に変わりました。「さりぬべき」には前文を受けない「そうなるべき運命にある」という意味で使われることがあるとの教えを頂き、さして気にも留めずに居ましたら、本番でそのものずばりの「大鏡」の試験問題に直面し大いに驚いたものです。 -------------------------------- |