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004("ニシノ説" 桑原岩雄の教え)

"ニシノ説"(西野浩史) 2005年10月28日
桑原岩雄の教え


 桑原岩雄という名前を見て「懐かしい」と思った人は通である。私は20年以上前に駿台予備学校の講習で古文の講義を受けたり『古文要説』のお世話になったりした。すでに鬼籍に入っておられるはずである。

 この桑原師から学んだ勉強以外のことがある。

 講師室で師に質問をしようと順番を待っていた時のことだ。若い講師が「それでは」などと言いながら講師室を出ようとした。その瞬間、桑原師はさっと立ち上がり、若い講師を見送ったのだ。

 私はあっけにとられた。桑原師は当時70歳以上に見えた。そんな老師が若手講師にここまで礼儀正しくするのか、と。

 私がいま関わっている組織で、70歳を超える組織の長に対して自然に立ち上がるのは、桑原師の影響である。

 ただ、桑原師の真似を完全にできているわけではない。自分より若い人や同世代の人に対してはなかなかできない。

 桑原師は徹底したリベラリストだったのだなぁ。



以上は、【同じ阿呆なら泥と炎のニシノ説】(http://www.nishinosetsu.com/archives/50183052.html)から転載いたしました。

(2006年3月27日掲載、2012年5月29日レイアウト変更)